まだたいして実績のない若手経営者は、どうすれば社員が言うことをきいてくれるのだろうと悩んでいませんか。
社員に言うことをきいてもらう必要はありません。自然についてきてくれるようにするのです。
よくあるケースですが、社員一人ひとりにこう行動して欲しいという具体的な行動期待があって、それをするように指示しているのではないでしょうか。しかし、現場の複雑な状況については社員のほうが詳しく知っており、経営者の指示が間違っていることもあるのではないですか。だからと言って社員の言いなりでいるわけにもいかず、どうしたらいいかわからなくなっているのではないでしょうか。
経営者は現場のリーダーではありません。方向を示して自ずとついてきてもらう環境をつくる人なのです。力ずくや給料では長続きしません。
ではどうすれば社員はついてきてくれるのでしょうか。社員は、新しい経営者が①ぶれないか、簡単に逃げ出さないか②自分のことを理解してくれるか③会社をいい方向に導けるか、を見極めようとします。それらを言葉だけでなく態度でも判断しようとします。そして④この人にはかなわない、と思ったら自然とついてきてくれるのです。
①は自分の確固たる生き方と会社のめざす姿を明確にし、それが同じ方向を向いていることを示します。そしていつでもそういう行動をします。
②は、自ら聞く姿勢を示し、相談されたことにはきちんと回答し、対応します。対応しない時はその理由をわかりやすく説明して納得してもらいます。
③のためには戦略を示し、社員が何を頑張ればいいかを示し、業績結果を出します。
④は、自ら現場のことを詳細に理解し、その上でわからないことは社員に聞きます。いつの間にか総てのことについてわかる人間は経営者しかいなくなります。
これらは時間がかかりますが、焦ってはいけません。経営者にしかできないことですから、社員たちは自然に社長に相談にくるようになります。